晩酌の量が増えるとき
毎晩 晩酌をしているわけではない
夕方帰宅時間がせまると晩酌の量が決まる
結論から言うと
特定の人物の動向で晩酌の量が決まる
という事実
妄想恋愛をしている
わたしの空想のなかで
特定の人物と恋愛している
あぶない妄想だが
誰にも言っていないのでセーフかな
私はつきあっているつもりで接するが
相手はそんなこともまったく知らずに接する
妄想上の彼が
現実世界では仕事から逃げ始めた
責任転嫁である
施設入居している高齢女性の家族より
お菓子とサンマを頂いた
ありがたく頂きたいのだが
妄想上の彼はかたくなく困惑している
「小田さんに預けて
後でもらうから
全部あげるから」
意味不明なことをラインで送ってくる
ここから私のイライラが始まり
晩酌の量が決まっていく
「で もらってもいいんですよね?」
ラインを返信しても既読はつかない
いらないなら「いらない」と言ったほうが
楽なのになあとイライラする
数時間待ち
自宅へ帰宅途中でもラインの返信はない
彼は仕事時間には自分の用事があれば
ラインするくせに
私のラインは見ない
なんて勝手だ
イライラが積もり
今夜は多量に飲んでやる
妄想恋愛はイライラで色気もなにも
なくなるのである
サンマを焼いて大根おろしをおろして
缶チューハイをグラスに注ぎ
今夜は飲んでやろうと
戦闘態勢になったころ
妄想彼氏からラインの返信がきた
「です」と一言
この二文字でなんとなく満たされてしまう
妄想恋愛
相手の気持ちとかよりはいらない
いつでも思い通りに行動してくれる妄想彼氏を
探している
妄想彼氏の理想を現実の男性に重ね合わせ
一人で妄想恋愛しているが
理想通りに動いたり話すわけもなく
またひとりでイライラ晩酌を始めるのである